




2024年4月開設 一期生募集
国内唯一 完全オンラインで「食」を学ぶ芸術学士課程
- 大卒資格(学士)取得
- 編入学可能
- 年間授業料34.8万※
※2023年9月時点で予定している金額です。
詳細は12月上旬公開の「募集要項」でご確認ください。

食べるとは何でしょうか?
美味しさの根底にあるものは何でしょうか?
人類は食べることで、いのちをつむいできました。わたしたちは食を通して自然とつながり、食料を分けあうことの尊さと、食卓を共にする幸せを噛みしめています。
いま、あらためて「循環」は重要なキーワードです。人が自然を奪うのではなく、食べることを通じて環境や生態系の回復に貢献するような食のあり方が問われています。循環のためにグローバルに進行している食の技術や発明にワクワクします。一方で、日本古来の里山や伝統食、郷土料理には循環の知恵と新しいヒントがあります。
さまざまな視点から「食べるとは何か?」を知り、学び、考えてみるとたくさんの気づきが生まれる。それが感謝の気持ちにつながり、明日への活力や次の世代へのバトンに変わるはずです。
食は日々の営みでありながら、たいせつな文化芸術でもあります。芸術大学で「食べる」のすべてを学べば、あなたの毎日はもっとステキになると信じています。

食文化デザインコース監修
京都芸術大学 副学長/放送作家、脚本家
小山薫堂
Watch video
Feature 3つの特長

本コースでは、国内外で活躍する食のプロフェッショナルたちが集結し、食を文化芸術ととらえ、食に関わる広い知識と感性を磨く学びを提供。身の回りにある価値や魅力に気づき、創造力豊かに“食の力”で自分と周りの人、ひいては社会を幸せにできる人材を育みます。
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1 食を文化芸術として学び、食文化の担い⼿を育成
食やおいしさを技術としてだけでなく、フードデザインを軸に、文化人類学、科学、美学、地域デザインなどさまざまな視点から「⽂化芸術」として学びます。「ライフ」「ビジネス」「体験」を切り口に、食の楽しみ方や伝え方にも焦点を当て、社会に多様な展開ができる⾷⽂化の担い⼿を育成します。
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2 国内外で活躍する⾷のプロフェッショナルから学べる
講師陣は国内外の第⼀線で活躍する、⾷のプロフェッショナル。研究者・表現者をはじめツーリズム、メディア、ビジネス、フードテックなど幅広い分野からスペシャリストが集結。2単位分の講義内容は、スペイン・バスク地方にある世界最高峰のガストロノミー教育機関であり、料理界のパイオニアである、バスクカリナリーセンター(BCC)から提供されます。
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3 完全オンラインで芸術学士(4年制大学卒業資格)を取得
京都芸術大学通信教育部は文部科学省に認可された正規の4年制大学です。卒業すれば学士(芸術)の学位が授与されます。完全オンライン学習のため、通学不要。働きながら学士資格の取得を目指せます。
また、専門学校や短期大学、大学を卒業している方は3年次編入学が可能なため最短2年で卒業を目指せます。


こんな方におすすめです
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1. 日々の食体験をより豊かにしたい
食業界で働く方だけでなく、日々の食をより楽しみたい方や、食育、ガストロノミー、サステナブル、コミュニティデザインなどに関心がある方にも。多様な食の視点を学んで体験し、感性を磨くことで、仕事や暮らしに役立てます。
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2. 食業界でキャリアの幅を広げたい
料理人、栄養士、生産者、食品メーカー、フードコーディネーターなど食業界でさらに活躍の場を広げたい方へ。⾷を考え、伝えるための知識や表現が深まります。また、学⼠取得でキャリアアップの選択肢を広げます。
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3. 地域や企業で食を通じて社会をより良くしたい
自治体や団体にて、食を地域資源の1つととらえ食文化を活用した活性化に取り組まれている方や、スタートアップを考えている方に、食で地域の価値創造をするための、プランニングやプロデュース、発信方法、企画力を身につけます。
Teachers 講師陣 気鋭の食の表現者・研究者が集結




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岡田 亜希子
Akiko Okada
インサイトスペシャリスト
食×テクノロジー×リベラルアーツ
科目:食の未来ビジョン
ウェルビーイングを実現するフードテックとは何か 近年食の領域にデジタルやIoT(モノのインターネット)、AIやバイオテクノロジーが入り込み、生産から加工、喫食にいたるまで様々な変化が起きています。本科目ではフードテックの全体像から、フードテック領域が生まれた背景を学ぶと共に、フードテックがどのような方向に進化していくべきなのか、人間と食の関係性や食とテクノロジーの関係性をもとに議論する。食関係、フードシステムに関わる食に就きたい方々におすすめです。
Profile
『フードテック革命』著者。マッキンゼー・アンド・カンパニー等コンサルティング企業にて、リサーチスペシャリストとして従事。2017年以降、フードテック領域におけるエコシステム構築活動に関わる。「SKSJAPAN」の創設およびその後の企画・運営に参画する他、フードテック関連のコミュニティー構築、インサイトの深化、情報発信などの活動に従事。共著書に『フードテック革命』(日経BP)。『フードテックの未来』(日経BP総研)監修。大阪大学大学院国際公共政策研究科修士課程修了。
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石川 伸一
Shin-ichi Ishikawa
宮城大学食産業学群 教授
おいしさ研究/分子調理学
科目:おいしさの科学
おいしさを理解し、デザインできると、幸せの幅が広がる。 おいしさは、食材の組み合わせや作り手の技などによって大きく変化する。また、食べ手の体調や心理状態などによっても変化する。「おいしさの科学」では、おいしさの要因、おいしさを感じるメカニズム、おいしさを作り出すための調理道具や調理操作、各食品のおいしさを引き出すための科学などについて体系的に学ぶ。おいしさは食文化の継続が基盤にあると同時に、新しい食材などをよりおいしくすることも求められている。この「おいしさの科学」から、地球と人のウェルビーイングに貢献するおいしさへの理解を深め、それをデザインできるようになって欲しい。
Profile
東北大学大学院農学研究科修了。日本学術振興会特別研究員、北里大学助手・講師、カナダ・ゲルフ大学客員研究員、宮城大学准教授を経て現職。博士(農学)。専門は分子調理学。主な研究テーマは食品・料理構造からのおいしさの「可視化」。関心は「サイエンス×アート×デザイン×エンジニアリング」を組み合わせておいしさの未来を考えること。著書に『絵巻でひろがる食品学』(化学同人)、『分子調理の日本食』(オライリー・ジャパン)、『「食べること」の進化史』(光文社)、『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)など。
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大類 知樹
Tomoki Orui
株式会社 ONESTORY 代表取締役社長
地域価値の編集と発信
科目:食の地域価値共創
「地域価値の編集と発信」地域の集合体が日本。地域価値の創造とは、日本の存在価値を定義すること。 皆さんが住んでいる、あるいは育った地域の価値って、なんでしょう?自然、文化、街並み、食、人…。人によって、価値観は様々だし、時代によっても変化していくし、なかなか一言では表現できないですよね。この科目では、そんな「地域の価値」の捉え方の基本を学ぶのと同時に、最先端の事例を交えながら、その価値をどう編集し、どう発信するかを学んでほしいと思います。
Profile
1993年(株)博報堂入社。様々な企業のキャンペーンやメディアコンテンツの企画・開発に携わる。2012年食を通じた新たな地域価値創造の仕組みとして、「DINING OUT」を開発。2016年「日本に眠る愉しみをもっと。」をコンセプトに、地域の価値創造に特化した(株)ONESTORYを設立。長年培った広告づくりのナレッジやブランディング、PRノウハウを活かし、地域価値の編集と発信に取り組む。
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岡根谷 実里
Misato Okaneya
世界の台所探検家
世界の家庭料理/食文化探究
科目:世界の食探究
台所は世界を知る窓だ 毎日の料理が生まれる台所は、あまりに日常のものであるがゆえに、研究の対象の中心にはされてきませんでした。しかし、それだけ高頻度に生活の営みが行われるということは、時代や社会の有り様を写した格好の題材であるとも言えます。しかも身近なものであるがゆえに、誰もが当事者として研究や考察を深められるという利点もあります。この講座では、世界のどこにでもある「家の台所」に光を当て、あたりまえになっていることにあえて疑問を持ってみることを通して、日常から社会につながる発見をする術を身につけましょう。
Profile
世界の台所探検家。東京大学大学院工学系研究科修士修了後、クックパッド株式会社に勤務し、独立。世界各地の家庭の台所を訪れて一緒に料理をし、料理を通して見える暮らしや社会の様子を発信している。講演・執筆・研究のほか、全国の小中高校への出張授業も実施。立命館大学BKC社系研究機構客員協力研究員、大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)連携研究員。近著に『世界の食卓から社会が見える』(大和書房)。
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門上 武司
Takeshi Kadokami
フードコラムニスト/『あまから手帖』編集顧問
食のキュレーション
科目:日本の食と知恵
知恵と工夫のかけ算。食材とその文化を通して日本人らしさを探求しましょう 食は国の図書館、博物館であり美術館だと考えます。ただ身体をつくるだけでなく、国、またその地域ごとに食の営みが違い、その気候風土が生み出した個性が存在します。本講座では、食材の歴史や進化、またその使い手である料理人の考えや数々のエピソードなどエレメントを紹介し、ともに学んで参ります。受講者の方には、学びを通して、日本人らしさとは何かを探求し、自らがアクションするための知識と発掘の眼を養っていただき、食のキュレーターになって欲しいと考えています。
Profile
1952年大阪生まれ。フードコラムニストとして食関係の媒体に寄稿する他、食のプロデューサーとしても活躍。関西の食雑誌『あまから手帖』の編集顧問、一般社団法人全日本・食学会副理事長を務め、メディア出演も多数。現在は、JR西日本の豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の飲食に関しての監修、農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」審査員を務め、地方の食文化の発掘に取組む。主な著作物として、『京料理、おあがりやす』(廣済堂出版)、『スローフードな宿』(木楽社)、『僕を呼ぶ料理店』(クリエテ関西)などがある。株式会社ジオード代表取締役。
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源河 亨
Tohru Genka
心の哲学、美学
科目:食の鑑賞法
「飲食の哲学」哲学で毎日の食事体験を豊かにする。 この授業は美学の観点から毎日の食事について考察します。ここで言う「美学」は哲学の一種であり、センスとは何か、芸術とは何かを検討する学問です。そうした学問の知見、さらに一部は心理学の研究を利用して、「おいしさに客観性はあるか」「料理は芸術と呼べるのか」「五感で味わうとはどういうことか」「言葉や知識は食事の邪魔なのか」といった問題について考えます。豪華な凝った料理だけでなく、毎日何気なく食べるものも(インスタント食品でも)鑑賞すべきポイントがたくさんあり、食べる側の態度次第で豊かな体験になることを学んでもらいたいです。
Profile
2016年に慶應義塾大学で博士(哲学)を取得。2021年より九州大学大学院比較社会文化研究院講師。専門は心の哲学と美学。著作に、『知覚と判断の境界線:「知覚の哲学」基本と応用』『悲しい曲の何が悲しいのか:音楽美学と心の哲学』『感情の哲学入門講義』(以上、慶應義塾大学出版会)、『「美味しい」とは何か:食からひもとく美学入門』(中央公論新社)。翻訳に、ジェシー・プリンツ『はらわたが煮えくりかえる:情動の身体知覚説』(勁草書房)など。
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狐野 扶実子
Fumiko Kono
出張料理人/食プロデューサー
食プロデュース・監修
科目:おいしさの食体験デザイン
おいしさの食体験がもたらすウェルビーイングを、創造的なアイデアでデザインしましょう! 「おいしさ」を食べ手の心理状態、記憶や経験、さらには文化的背景などコンテキストとの関連性で捉え、おいしさの食体験とは何かを考えます。社会課題が複雑化する今日、解決に向けたアプローチとしてデザイン思考が注目されています。おいしさの食体験はデザイン思考によってどのように創造できるのでしょうか。その延長には何があるのでしょうか。授業では米国やフランスなどで行われている取り組みや、実際、私が料理に携わってきた中での実体験をもとに考察します。みなさんと一緒に自由な発想でおいしい食体験をデザインしてみましょう。
Profile
パリの「ル・コルドン・ブルー」を首席で卒業後、三ツ星レストラン「アルページュ」でアラン・パッサール氏に師事。その後、出張料理人として独立。シラク元大統領夫人をはじめ、世界のVIPから招かれ注目を集める。2009年にフランスで出版された『ラ・キュイジーヌ・ド・フミコ』が、グルマン世界料理本大賞の女性シェフ部門で世界最優秀賞を受賞。パリの老舗「フォション」のエグゼクティブシェフなどを経て、2013年よりJAL国際線ファースト&ビジネスクラスの機内食を監修。2020年、システムデザイン・マネジメント学修了。料理人コンペティション「RED U-35 2022/2023」の審査員長。
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齋藤 由佳子
Yukako Saito
株式会社 GEN Japan代表取締役
食文化プログラムデザイン
科目:ガストロノミーツーリズム
地域に残る自然や知恵に支えられた本物の食文化を通じて新しい価値を地域に生むGastronomy tourismの世界的な潮流 都会だけでなく地方が豊かであり続けるためには、その地域の環境や文化を蝕まない持続可能な観光政策が不可欠です。この講座ではスペインのバスク地方で食文化観光分野で最先端の取り組み展開する教育機関のプログラムをベースに、持続可能な観光で世界的に成功している具体的な事例を学んでいきます。地域の食や農の伝統知を掘り起こし、その地域にしかないストーリーを作り上げる感性や創造力を磨きたい方のご参加に期待しています。
Profile
2014年にイタリアミラノにソーシャルイノベーションスタートアップ企業としてGenuine Education Network(GEN)を創業。2016年に株式会社GENJapanを設立。食文化をサステイナブルな伝統知として世界各国のイノベーターやトップシェフに学んでもらうカルチュアルエデュケーションプログラムデザイナー。日本全国・欧州各地で食文化プログラムを実施し、現在までに世界30カ国以上から参加。2020年より土壌再生のための国際コンソーシアムJINOWAを主宰。日本の地方行政や大学教育機関にて文化教育政策アドバイザーやガストロノミー分野の講師など歴任。
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佐藤 洋一郎
Yo-ichiro Sato
ふじのくに地球環境史ミュージアム 館長
食文化学
科目:日本の食らしさとは
あなたが食べているものはいのちである。いのちのつながりを考えよう。 この授業では、日本社会での「食の成り立ち」を考える。つまり、人びとが食べているものがどのように作られ、加工され、食卓に上っているかを、現場の人びとへのインタビューを織り交ぜながら理解できるようにする。それは、「食べる行いに関する人と人のつながり」を知ることだ。受講を検討される方には、今日食べるもの、昨日食べたものに関心をもち、食の成り立ちを想像できるようになってもらいたい。机の上やスマホの中ではなく、食にかかわる「現場」にでかけて学ぶとともに想像力をきたえてもらいたい。この授業はそのお手伝いをするものです。
Profile
大学、大学院では遺伝学を専攻し、さまざまな遺伝子の地理的な分布、考古学や歴史学との連携、さらには東南アジアの現地調査によってイネの起源、農耕の起源を研究してきた。やがて農耕と環境の関係の理解が重要だと考え、総合地球環境学研究所で文系、理系の枠をまたいだ「ユーラシア農耕と環境の関係1万年史」という学融合プロジェクトを立ち上げた。現地調査中は各国・各地域で現地の食に親しんだ。そのうち、食文化に強い関心を持つようになり、地球環境、農耕、食の3者を一体的・綜合的に研究する試みを始めている。趣味は料理。
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高木 崇雄
Takao Takaki
工藝風向店主
近代工芸史
科目:食の器と道具
あなたが用いる器や道具は、あなたと共に育つ友人です。 「器は料理の衣装」という言葉があります。すぐれた器は料理が持つ味や香りなどの魅力をより豊かに装ってくれる重要な存在です。では、食を支える重要な要素である器は、どこで、誰によって、どのように作られているのでしょうか。手作りで作られているもの、工場で作られているもの、いずれにせよ人の手を経ないで生まれる器はありません。 この講座では、陶磁器や漆器・硝子といった器や、カトラリーやキッチンツールなどの道具がどのように作られ、どのように流通し、私たちの暮らしに届いているのかについて紐解いてゆきます。器や道具の背景を知ることによって、食を取り巻く世界を、より広い視点から理解することができるようになるでしょう。
Profile
「工藝風向」店主。高知生まれ、福岡育ち。京都大学卒業。会社員を経て2004年、福岡市内に「工藝風向」を設立するとともに、九州大学大学院にて、柳宗悦と民藝運動を対象に近代工藝史を研究。日本民藝協会常任理事および機関誌『民藝』編集長。著書に『わかりやすい民藝』(D&DEPARTMENT PROJECT)、共著に『工芸批評』(新潮社青花の会)など。
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永田 康祐
Kosuke Nagata
アーティスト
現代美術
科目:フードメディア
自分の関心に、自分にとって最適な形を与える方法を学びます。 この講義では、レストランや食に関するプロジェクトだけでなく、現代アートの実践や文化研究などの事例について学びながら、自分の関心を具体化し、リサーチを通じて深化させ、プロダクトやサービスに限らない幅広い表現へと結びつける方法を身につけます。現代アートや、社会学的・人類学的リサーチに関心がある人はもちろんのこと、自分の関心や問題意識をどうやってアウトプットするかについて学びたいと考えているすべての人が対象です。講義の最後には自分で企画を考える演習があるため、自発的に考え、手を動かすことが求められます。
Profile
1990年愛知県生まれ。東京芸術大学大学院博士後期課程修了(映像メディア学)。専門は現代美術、写真理論、食文化研究。多摩美術大学美術学部非常勤講師、京都芸術大学通信教育部非常勤講師。東京芸術大学芸術情報センター非常勤講師、東京大学大学院学術支援専門職員、日本学術振興会特別研究員DC1を経て現職。メディア技術についてのリサーチをもとに写真作品や映像作品を作ったり、食文化に関するリサーチをもとにパフォーマンス作品や映像作品を制作したりしているほか、食に関するドキュメンタリーやレストランの批評も行っている。
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中山 晴奈
Haruna Nakayama
フードデザイナー/アーティスト
フードデザイン・アート/食文化研究
科目:食文化デザイン入門、フードデザイン実践 他
食をキーワードに、さまざまな人をつなぐ新しい専門性を生みだそう 「食」の魅力とはなんでしょうか。人をつなぐ力や、だれかを幸せにする力、また多様性を表現するメディアとしての可能性を感じたことがあれば、食文化デザインの魅力をあなたはすでに知っているかもしれません。食の風景が多様なように、食文化デザインの担い手となる専門性も多様です。あなたしか知らない食の魅力、社会の可能性を誰かに伝えるため、表現方法をともに磨いていきましょう。
Profile
1980年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院先端芸術表現修了。在学時より食べ物を使った美術表現の研究をする。コミュニティデザインのNPOに勤務後、行政や生産現場と連携して食をコミュニケーションツールにした総合的なデザインを行う。食を通じた地域づくりや食教育コンテンツの監修、食べ物付きの月刊誌の連載をはじめ、国内外の美術展でも活動。
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ニールセン北村朋子
Tomoko Kitamura Nielsen
文化翻訳家
フードスケープ
科目:持続可能な食との関係
「You and World are what you eat」あなたと世界は、あなたが食べるもので成り立っている。 この地球上で、さまざまな生きものが「食べる」という行為をする中で、人間だけが計画性を持って食を組み立て、おいしさを追求して積極的に手を加え、食べることを文化にまで昇華させる存在です。一方で、生きるための手段の基礎であり、かつ、文化としての彩りで生活を豊かにする人間の「食」に関する活動が、私たちが健やかに生きることにつながる一方で、私たちが暮らす地球の存続を脅かすことにも影響を与えています。気候変動、食の安全保障、経済格差や不均衡について知り、考えながら、私たちの毎日の「食べる」という行為にまつわる価値や判断基準(おいしさ、入手しやすさ、便利さ、健康、文化、伝統、環境負荷が低いこと、快適さ、複雑性、安全性、作りやすさ、料理の楽しさ、創造性など)が地域や日本、世界の環境や経済に大きな影響を与えることを学びながら、「食べること」を俯瞰で見ることができ、よりよい選択を実践してほしいと願っています。
Profile
デンマーク在住。文化翻訳家/Cultural Translator。食のフォルケホイスコーレ開校のため様々な国際プロジェクトを企画、運営。デンマーク食糧省フードコミュニティプロジェクトのクリナリーアドバイザー。AIDA DESIGN LAB理事。DANSK主宰。埋もれた価値の発掘と、新しい価値の創造をテーマに活動。子どもと若者が幸せにありのままにのびのび生きられる社会をつくること、世界中の人がおいしくて健康な食を享受できる平和な社会をつくることがMY WILL。2012年デンマーク・ジャーナリスト協会東デンマーク地区ジャーナリスト賞受賞。
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外村 仁
Hitoshi Hokamura
Food Tech Studio - Bites! ファウンダー/元Apple マーケティング本部長
新規事業開発/フードテック
科目:フードビジネス構築
イノベーションを知る。そして、あなたの事業が新たな食文化をつくる。 いつか独立してみたい、起業してみたい、あるいは社内で新規事業を任せられた。でも、どこから始めて良いのか分からない、始めてみたは良いが次にどうすればいいのかわからない。そんな壁にぶつかったことをお持ちの方も多いかと思います。この講座では、起業やスタートアップ投資、新規事業立上げの現場に立ってきた私たちがこれまでの経験から、食をビジネスとして立ち上げるための「まずは知っておくべきエッセンス」や「成長と差別化のためのイノベーションの大事さ」をお伝えします。新しい事業を創り上げていくことは、チャレンジも沢山ありますが、とてもワクワクする楽しいものです。本講義を通じ、私たちと一緒に新たなチャレンジへの第一歩を踏み出しましょう!
Profile
東京大学工学部卒業後、Bain & Companyで経営コンサルティングに従事。その後アップル社で市場開発やマーケティング本部長職などを歴任。スイスIMD(国際経営大学院)にてMBAを取得。2000年シリコンバレーに移住し、Generic Mediaを共同創業。2010年からはエバーノートジャパン会長を務めた。現在、スクラムベンチャーズ、All Turtles等でアドバイザーを務める。SKS Japanを共同創設し、同メンバーと「フードテック革命」を日経BPより出版。全日本食学会会員。肉肉学会理事。総務省「異能ベーション」初代プログラムアドバイザー。
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早嶋 諒
Ryo Hayashima
MD, Food Tech Studio - Bites! /Dir of Portfolio Growth, Scrum Ventures
スタートアップ投資/新規事業開発/フードテック
科目:フードビジネス構築
イノベーションを知る。そして、あなたの事業が新たな食文化をつくる。 いつか独立してみたい、起業してみたい、あるいは社内で新規事業を任せられた。でも、どこから始めて良いのか分からない、始めてみたは良いが次にどうすればいいのかわからない。そんな壁にぶつかったことをお持ちの方も多いかと思います。この講座では、起業やスタートアップ投資、新規事業立上げの現場に立ってきた私たちがこれまでの経験から、食をビジネスとして立ち上げるための「まずは知っておくべきエッセンス」や「成長と差別化のためのイノベーションの大事さ」をお伝えします。新しい事業を創り上げていくことは、チャレンジも沢山ありますが、とてもワクワクする楽しいものです。本講義を通じ、私たちと一緒に新たなチャレンジへの第一歩を踏み出しましょう!
Profile
米系ベンチャーキャピタルScrum Venturesにて日本におけるスタートアップ投資・グロース支援、ならびにFood Techをテーマにしたオープンイノベーションプログラムを担当。それ以前は、米系コンサルティングファームA.T.Kearneyにて、消費財・製薬・エネルギー領域を中心に、中期経営計画策定、新事業戦略立案、マーケティング、業務改善等の支援に従事。
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本田 智巳
Tomomi Honda
武庫川女子大学食物栄養科学部食創造科学科 講師
調理学/フードリテラシー教育
科目:フードデザイン基礎
「何を、どう食べる?」あなたと食の未来にとっての“より良く食べる”をデザインする 食生活をどのように営むのかは、自身の健康だけではなく社会のあり方や地球環境にも大きな影響を与えます。本科目では、食事から摂取した栄養素の体内での役割、食の安全性、私たちが食事として摂取する農畜産物の生産・加工・流通について理解を深めます。そして、これらの知識をもって食事を組み立てるための食事計画・献立作成や食材の選択・入手について学習し、実践に活かすためのスキルを身につけます。 毎日食べているものが供給される背景にも目を向け、健康とおいしさ、そして社会的な視点で捉えたよりよい食のあり方を、一緒に探究していきましょう。
Profile
専門は調理学、フードリテラシー教育。修士(環境共生学)。熊本県立大学院環境共生学研究科博士前期課程修了後、管理栄養士として食品メーカーでの商品開発、給食委託会社での給食の運営に従事。その後、尚絅大学生活科学部助手、立命館大学食マネジメント学部助教を経て、2022年4月より現職。フードリテラシー育成のための調理教育プログラムの開発、ファインバブル技術を応用した調理システム設計などをテーマに、食の営みを環境や社会との関わりから捉え、他領域の専門家や企業、自治体と連携した研究に従事。
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水野 考貴
Koki Mizuno
一般社団法人日本味覚協会 代表
味覚研究
科目:味覚の科学
食べ物の味はどのように感じる?「味覚」を体系的に学びます。 この講義のテーマは「味覚」です。「味覚」は身近なものでありつつも、詳しくはよく知らない、という方が多いのではないでしょうか。この授業では、「味覚」について体系的に学び、さらに「おいしさ」とは何か、また「味を評価する」という点についても理解が深められる内容となっています。これらの知識を身に付けることは、食に携わる仕事をされている方にとって有用なのはもちろん、そうでない方にとっても、日常の食生活をより豊かにしてくれるものと思います。できるだけわかりやすい言葉で授業を進めていきますので、楽しく学んでいきましょう。
Profile
名古屋大学理学部卒業。コンサルティングファーム勤務を経て、一般社団法人日本味覚協会を設立。日本味覚協会では、自治体や調理師専門学校、食品関連企業等を対象に、自分の味覚が良いか、悪いかをチェックすることができる研修や、味覚の基礎知識及び味覚評価(官能評価)の方法を学べるセミナー等を数多く実施。また、味覚の良さの度合いを検定できる「味覚検定」や、食べるだけで簡易的に味覚力(味覚偏差値)をチェックできる「味覚検定チョコ」を開発・販売している。テレビ朝日『家事ヤロウ!!!』などTV出演多数。
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森枝 卓士
Takashi Morieda
写真家/文筆家/食文化研究家
食文化研究
科目:食べるということ
食を見ること、食べることから文化と地域、ヒトを理解しよう。 その昔、カンボジアの内戦を取材していた頃、タイ国境の田舎町でふと、思った。偉そうに国際政治の犠牲者が云々と言いながら、その土地の人々が何を食べているのかもまったく知らなかったと。タイ料理の本の一冊もない時代のことです。美食を追求するにしろ、ヒトを、別の地域や異国を知りたいという知的な興味にしろ、文化としての食を知ることは、大きな意味があると思う。長く、見続け、食べ続けてきての結論である。この講義では、その食文化の基本の基本のような部分を、見つめ直すということを目的としたい。本能を超えた文化としての食とは何かの私的な概論である。
Profile
1955年、熊本県水俣市生まれ。高校生の頃、水俣病取材に訪れていたアメリカの有名な写真家、ユージン・スミスと出会い、写真家を志す。国際基督教大学教養学部卒業(文化人類学専攻)。タイに滞在してカンボジア内戦等を取材しているうちに、食というヒトの基本から知らねば、その国も理解出来ないはずと思うようになり、食文化を志す。東南アジアの食文化から始めて、、世界各国の食を取材し、新聞雑誌に寄稿。早稲田大学等で食文化を講じる。食の漫画の監修なども。主な著書に、『カレーライスと日本人』、『食べもの記』、『考える胃袋』(石毛直道先生と共著)等々。監修した漫画に『華麗なる食卓』など。
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湯澤 規子
Noriko Yuzawa
法政大学人間環境学部 教授
地理学/民俗学から食を見る
科目:食卓の民俗学
「食べものがたりのすすめ」食べもの、食べることの物語は、世界を映す鏡。 日常の食卓や日常生活世界を大切にする人はもちろんですが、ありふれた日々の中には発見など無い、と思っている人にこそ、受講してもらいたいと思っています。古今東西、老若男女の誰もが経験する「食べること」に目を凝らし、すぐそばにある日常の暮らしに目を向けた時に見えてくる世界をどのように理解し、学術的に説明することができるのでしょうか。受講生の皆さんそれぞれの発見を出発点にして、新しい世界を見出し、私たち自身の過去・現在・未来を考え、語り合える場となる講義を目指します。
Profile
1974年大阪府生まれ、千葉県育ち。筑波大学大学院歴史・人類学研究科単位取得満期退学。博士(文学)。明治大学経営学部専任講師、筑波大学生命環境系准教授を経て、現職。「生きる」をテーマに地理学、歴史学、経済学の視点から、当たり前の日常を問い直すフィールドワークを重ねている。主な著書に『胃袋の近代―食と人びとの日常史』(名古屋大学出版会)、同書で、生協総研賞第12回研究賞、第19回人文地理学会賞(学術図書部門)を受賞。近刊に『焼き芋とドーナツ―日米シスターフッド交流秘史』(KADOKAWA)。ほか著書多数。
Curriculum カリキュラム

キッチンをアトリエに。 「ライフ」「ビジネス」「体験」 食のすべてを多方面から学び、新たな価値を創造する。
食を「ライフ(食と文化、食と社会)」、「ビジネス(食とプランニング、食とプロデュース)」「体験(食と理論、食と感性)」の3つの側面から領域横断的に学びます。座学で食の幅広い知識と共に様々な食の現場や人と繋がるリアルな学びに触れ、自宅のキッチンや食卓をアトリエとして活用します。日常で学びと実践を繰り返し、食を通じて人や自分を幸せにする企画力や創造力へと繋げていきます。
カリキュラムマップ
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学びのステップ
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01. 食と文化を知り、おいしさをつくる基礎知識を身につける。
まずは幅広く奥深い食の世界に触れることで、多様な視点や考え方を身につけ、食と文化にまつわる洞察力を養います。私たちの食生活に関わる様々な物事、おいしさを感じる仕組み、おいしさをつくる方法も体験しながら学びます。
日本らしい食とは
日本社会での食の成り立ち、食べる行いに関する人と人との繋がりを理解します。日本の食文化を見直し、考えるための基礎知識と想像力を身につけます。
味覚の科学
味覚とは何か、仕組みや基本味など味覚に関する知識を体系的に学び、おいしさや味覚を評価することへの理解を深め、適切に味覚評価をできる力を身につけます。
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02. 食の魅力や価値を見出し、実践的な食体験デザインに挑戦。
世の中に溢れる様々な食の価値を自分なりの視点で見出し、人に伝える力を身につけます。また単なる消費だけではない、コミュニケーションなどの役割を持つ食の力を活かし、おいしい食体験をデザインするための手法を実践的に学びます。
日本の食と知恵
食材や食品の歴史と発展した背景や現在、またその使い手である料理人の考えなどを学び「日本人らしさとは何か」を探求し、知識と発掘の目を養います。
フードデザイン
実践食の知識を要するデザインの現場についての理解を深め、フードフォト、レシピ作成、企画、体験デザインの実践方法と基礎理論を学びます。
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03. 食と様々な領域の関係性を探り、食体験の活用法を広げる。
ビジネスからツーリズム、地域づくりなど実践的な学びから専門性を高めるとともに、領域横断的な柔軟性を獲得します。また持続可能な社会を描くための未来思考力、食体験を社会で活用する企画力とメッセージを的確に届けるための表現力を身につけます。
食の未来ビジョン
先の読めない時代に必要な視点や視座、多様な価値観、社会において進めていくべきことを考えられる力を養います。ありたい未来の姿を想像し描く力を身につけます。
食の地域価値共創
地域の価値の捉え方に関する基礎知識や考え方を身につけます。また最先端の事例を交えながら、地域の価値をどのように発見・編集・発信していくかを学びます。
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04. 「わたし」の視点で、人や社会の喜びを育む食文化デザインを提案。
学びの集大成として、自分の身の周りや社会に豊かさを育むような価値を創造する企画・制作に取り組みます。
新たな食文化をデザインするタネとなるような実践を社会に届けられるよう、食体験の調査力、発想力、実現力の3つの能力を磨きます。卒業制作
4年間の学びをもとに、食文化デザインの可能性を探究する研究制作に取り組みます。新たな社会的価値や経済的価値を生み出す実践や、独自の視点において価値が認められる活動事例を文化資産として研究調査を行います。
Learning 学び方

食文化デザインコースでは、Webスクーリング科目と、テキスト科目の2種類の学び方があります。パソコンやタブレットで学習用Webサイト「airU(エアー・ユー)」にアクセスして、動画視聴などの学習・提出・添削までのすべてを行います。
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Webスクーリング科目
短時間の動画教材で学び、各章ごとに選択式の確認テストを行います。通勤時間や家事、育児などのスキマ時間でも学びやすく、文章を読むのが苦手な方にも取り組みやすい内容です。通学の必要がなく、受講料も不要です。
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テキスト科目
動画やテキスト、補助教材をもとに学習を進める科目です。提出した作品やレポートには、教員による細やかな添削が受けられます。
トライアル授業動画
食文化デザインコースの動画教材の一部を公開予定です。
最新情報はメールマガジンにてお知らせしますのでぜひご登録ください。
出願情報
- 入学選考
- 入学試験は行いません。
出願書類をもとに、入学資格の有無を確認するための書類審査のみ行います。 - 出願期間
- [web出願登録]
~ - 書類提出期限
- [消印有効]
- 授業料
- 348,000 円(年間)※
※2023年9月時点で予定している金額です。
詳細は12月上旬公開の「募集要項」でご確認ください。
2024年入学の募集要項は以下のページで
12月上旬に公開予定です。
イベント情報
自宅から体験できるオンライン授業を開催! 秋のオンライン1日体験入学食文化デザインコース

芸術大学で学ぶフードデザイン入門:
コミュニケーションツールとしての「食」の視点を学ぼう
- 【担当教員】
- 中山晴奈、宇城安都美、麻生桜子
- 【授業内容】
- 食文化デザインコースでは、食をコミュニケーションツールに、暮らしや仕事に生かしていくさまざまな視点を学びます。授業の前半では、本コースの専任講師たちによる作品や事業例を通して、社会における多様な食の視点を紹介します。後半は、食をテーマにすることで直面する難しさについて、エピソードを含めて解説します。そんなときに武器になってくれる科学の視点や民俗学の視点、そしてデザインの視点など、領域を横断して学ぶことの意味を説明します。私たちが食にどのようなものを求めているのかを読み解きながら、食とコミュニケーションの可能性について一緒に探っていきましょう。
京都芸術大学 通信教育部とは
- ※私立大学通信教育協会加盟校34校中
- 2023年度在学者数 第1位
- 2023年度入学者数 第1位
- (私立大学通信教育協会 令和5年調査)

1998年開設。会社員、主婦、定年後など、あらゆる立場や職業の人々が、北海道から沖縄、海外からも集う、日本で初めての4年制の通信制芸術大学です。
社会人にとって学びやすい学習用Webサイト「airU(エアー・ユー)」を整備し、時間や場所を選ばずに学ぶことができる仕組みを整えています。また、20年余りの実績を持つ細やかな添削指導も特長の一つです。
学科編成:4学科16コース(芸術教養学科、芸術学科、美術科、デザイン科)
在籍者数:15,495名 ※通信教育部芸術学部
正科生、2023年5月1日現在
よくあるご質問 Q&A
- Q芸術や食に関する経験がないのですが、入学できますか?
- A 入学できます。本学通信教育部はすべてのコースで初心者を対象にカリキュラムを構築しているため、毎年多くの未経験者が入学しています。また、体系的な学びを求めて、すでに専門分野で活躍している方も多数入学しています。
- Q この大学は正規の大学ですか?
- A 本学の通信教育部は文部科学省に認可された正規の4年制大学です。卒業すれば学士(芸術)の学位が授与されます。大学院への進学も可能です。学習形態が異なるだけで、教育水準や取得資格は通学課程と何ら変わりはありません。
- Q 本当に一度も大学に通学する必要がないのですか?
- A 必要ありません。入学から卒業まで、すべてオンラインで学習します。質問や学習に関わる相談もメールなどを通じてオンライン上で可能です。一般公開講座「藝術学舎」では食に関する講座を複数開講しており、ほとんどの講座で京都芸術大学通信教育部との単位連携を行っています。対面で学ぶ機会を作りたい方や食に関する視野を広げたい方は受講をご検討ください。
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